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盲導犬の一生について学ぶ−[盲導犬/訓練士の仕事]

■盲導犬の生涯について知ろう

現在活躍している盲導犬の犬種は、圧倒的にラブラドールレトリーバーです。ゴールデンレトリーバーや、F1と呼ばれるラブラドールレトリーバーとゴールデンレトリーバーの雑種もいます。以前はジャーマンシェパードが使われていました。

ラブラドールレトリーバーは性格が穏やかで人なつこいのが特徴で、シェパードなどに比べると見た目も優しいので、街を歩いても威圧感がなく、親しまれやすいことから多く育てられています。子犬時代から様々な人が関わっている盲導犬はどのような一生を送るのでしょうか。盲導犬誕生に大きな役割を果たす訓練士はどう関わっていくのでしょうか。まずはその誕生からドラマやスタートします。

子犬の誕生−盲導犬・訓練士

協会の施設や繁殖犬ボランティアの家で育てられている繁殖犬が子犬を出産します。盲導犬の卵の誕生です。盲導犬に適している血統の良い子犬を購入することもあります。外国からも買い入れています。協会の施設での出産には、予定日が近づけば、当直者が犬の側で泊まり込みをすることになります。いざ出産が始まれば、母犬を励まし、産後のサポートや始末、ねぎらいの言葉かけなども盲導犬訓練士なればこその仕事といえます。異常があれば獣医師への連絡も必要です。

里親に預ける−盲導犬・訓練士

子犬は、生後45日から60日まで母犬とともに暮らしますが、その後は1頭ずつパピーウオーカーの家に預けられます。ここで犬は、将来盲導犬になったときに大切なトイレなどの基本的なことを覚えます。各協会ではパピーウオーカーに対してしつけの講習会を開き、諸注意を与え、相談に乗り、犬が健康に育つよう助けます。人は信頼でき、良き友であることを知るパピーウオーカー時代は、犬の一生を左右する大事な時期なのです。パピーウオーカーの家族の愛情を一心に受けた犬は、いずれいろいろな人に出会う盲導犬になってからも人の優しさを覚えていると言います。何度か経験している家庭はともかく、はじめてパピーウオーカーを引き受ける人を指導するのは、盲導犬訓練士の仕事です。社会のために役立てる喜びに燃えてはいるが不安を抱えているパピーウオーカーの気持ちに応えなければなりません。盲導犬訓練士の励ましはパピーウオーカーにとって、やる気のもとになるのです。

協会での専門訓練−盲導犬・訓練士

約10ヶ月後、1歳に成長した犬は、パピーウオーカーの家から教会に戻り、約1年間盲導犬としての訓練に入ります。ここで盲導犬訓練士は、犬に盲導犬としての適正テストを行います。はじめから盲導犬として生まれてきたわけではありません。中には性格的に怖がりだったり、体が大きくなりすぎてしまう犬もいます。大きな音に驚いて、逃げたり隠れたりしては、盲人の安全を守ることができません。盲導犬になれる犬は10頭の内3,4頭だと言われています。かつて新聞が不適格犬のことを「落ちこぼれ」と書いたとき、中部盲導犬協会の所長がつぶやいた「人にも向き不向き、得手不得手があるじゃないですか。盲導犬になれない犬を落ちこぼれなんて言い方はしないで欲しいですね」が印象的でした。

■盲導犬の生涯について知ろう<つづき>

この言葉には日夜、犬のことを考えている盲導犬訓練士たちの、お互いに頑張ってもうまくいかないこともあるのだという、悔しい気持ちが表れています。

不適格犬になったからといっても、基本的なしつけや訓練ができているので引き受けては多いのです。ボランティアに引き取られ、普通の犬として暮らす犬もいますし、老人ホームなどの施設でセラピードッグとなっている犬もいます。繁殖犬になる場合もあります。

共同訓練−盲導犬・訓練士

適性検査に合格し、様々な訓練をクリアした犬は、いよいよ協会内の施設で視覚障害者との宿泊共同訓練に入ります。誰がどの犬とペアを組むかは、犬との相性、体の大きさのバランスなどを見て、訓練士は慎重に検討して決定します。よりよい組み合わせとなるように、訓練士は視覚障害者の性格をよく観察します。それは犬のよりよい生涯にもつながります。

さて、犬は外での訓練だけではなく、トイレや餌の世話、ブラッシングなどをしてもらい、お互いにうち解けていきます。約4週間の共同訓練の後、視覚障害者の家の内外での実生活に即した訓練をします。この間、担当の歩行者指導員がつきそいます(歩行者指導員とは、研修生、訓練士の過程を経たベテランのことです)。

盲導犬として活躍−盲導犬・訓練士

視覚障害者を助け、盲導犬として活躍します。盲導犬として働けるのは8年から10年です。この期間にも視覚障害者と盲導犬協会は連絡を取り合い、盲導犬訓練士は良き相談相手になります。

引退−盲導犬・訓練士

盲導犬は引退後、協会の施設やボランティアの家で余生を送ります。北海道盲導犬協会のように「老人ホーム」を設けて、専任の職員やボランティアに温かく見守られている犬もいます。暖房入りの部屋で、長い勤めを終え寄り添う同じ境遇の犬たちに、「長い間ありがとう」と声をかけたくなります。老犬たちが、日だまりの庭で若い犬たちの訓練風景を眺めている様子は見るものの心を和ませます。引退を待って、その犬を育てたパピーウオーカーの家族に引き取られる犬もいます。北海道盲導犬協会だけでなく、引退後の犬の世話をしている協会もあります。1頭の犬の誕生から引退までの期間は少なくとも10年かかります。盲導犬訓練士はその間犬のケアをはじめ、視覚障害者にとって良きアドバイザー役を務めることとなります。人とも犬とも長いつきあいをすることになる盲導犬訓練士の仕事の重さを改めて痛感します。

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